寒冷・高湿度の環境での住居や労働などにより、風寒湿の邪が人体を侵襲して経絡や関節に滞り、気血の流れが妨げられると痺証になる。風・寒・湿の邪気の中で、どの邪気が強いかにより、“行痺”、“痛痺”、“着痺”に分類する。
風熱の邪に湿邪が絡んで人体を侵襲する、また陽盛素因があり熱が体内にこもる、陰虚素因があり外邪を感受して熱に変化する、これら熱邪が経絡や関節に滞り、気血の流れが阻まれると痺証になる。また風寒湿による痺証が長期にわたって改善されず、それが鬱して熱に変化し、このタイプの痺症になることもある。 痺証の病変部位は筋骨関節にあり、「肝は筋を主 り、腎は骨を主る」と言われる。痺証が長期にわたって改善しなければ、肝腎が損なわれて気血が消耗され、肝腎両虚、気血不足の慢性化した痺証になる場合が多い。