動悸は、感情の起伏や過度の過労によって突発的に発生します。同時に不眠、健忘、目眩、耳鳴りなどを伴うことが多い。中医学的には、外部からの驚きと内部の虚という考えをします。
1.心虚胆怯
平素から心や胆が弱い者は、突然大きな音を聞いたり、奇異なものを目にしたり、危険な目にあったりすると自分をコントロールできなくなり、心悸が止まらなくなる。
【弁証】
心悸、恐れたり驚いたりしやすい、心が安らかでなく精神的に落ち着かない。眠いが浅く、夢が多い。舌苔薄白で特に変化がない。動数脈、または虚弦脈
【治療原則】
鎮驚定志、養心安神
2.心血不足
心は血をつかさどります。心血が不足すると心悸がおこります。
【弁証】
喘咳、粘質黄色痰、発熱、頭痛
【治療原則】
補血養心、益気安神
3.陰虚火旺
長い病気の後の体質虚弱、過度な性生活や労働によって発症します。
【弁証】
心悸不安、胸が苦しくて眠れない、めまい、五心煩熱、耳鳴り、腰がだるい、舌質紅、少苔、細数脈
【治療原則】
滋陰清火、養心安神
4.心陽不振
大病や長患いの後に陽気が衰えると心脈を温陽出来なくなります。そのために心悸不安がおこります。
【弁証】
心悸不安、胸苦しく息切れがする、顔色が青白い、寒がる、四肢の冷え、舌質淡白、虚弱脈または沈弱脈
【治療原則】
温補心陽、安神定悸
5.水陰凌心
脾腎陽虚により水液の蒸化の力が弱いと停留して飲となります。飲が上部を犯して心陽を抑制し心悸が誘発されます。
【弁証】
心悸、めまい、寒がる、四肢の冷えと倦怠感、小便量の減少、下肢の浮腫、悪心、舌苔白滑、弦滑脈
【治療原則】
振奮心陽、化気行水
6.血阻絡
心陽の不振により血液の運行がスムーズに行われない事によるものです
【弁証】
心悸不安、胸悶、心痛、爪が青紫色、舌質は紫暗色、渋脈、結代脈
【治療原則】
活血化
、理気通絡